短命な日本の住宅を長寿命化

                       

四季を楽しむことの反面、季節による寒暖差が大きく、また地震や台風等による災害が多いわが国では、建築基準法等の法令改正により、住宅の基本性能の引き上げが行われてきました。

2000年に施工された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」により創設された住宅性能表示制度では、住宅の性能を可視化する物差しが整備されました。

一方で、わが国の取り壊された住宅の平均築後年数は約32年とされています。アメリカのやく67年、イギリスの約81年に比べると、はるかに短命であることが分かります。(図1-5)

また、住宅に関する投資金額に占めるリフォーム費用の割合は、我が国が30%未満であるのに対して、ヨーロッパ諸国は50%を超えています。(図1-6)

 

わずか30年ほどで建替えられてしまう日本の住宅を良質のストックとして長期使用していく姿勢が欠かせません。

そして、築年・工法・維持管理状況等が多様な既存住宅の再生には、住宅の状況に応じた適切な長寿命化リフォームが欠かせないのです。

 

長寿命化リフォームとは

 

長寿命化リフォームとは、既存の住宅において「数世代にわたって安全・安心に生活できる耐久性、耐震性、維持管理、更新の容易性」と「新築時に比べて充実した生活を送ることができる省エネルギー性、バリアフリー性」などの性能を向上させることで、長期にわたって使用され続ける住宅ストックとして、「住まい手の生活環境や生活の質が向上する」、「長期にわたって住み続け、住み替えられることを可能にする」、「個人や社会の資産となる価値と流動性が得られる」以上3点を実現させるリフォームです。

 

簡単に言うと、長寿命化リフォームとは「住宅をきちんと手入れして、長く大切に使おう」ということです。

長寿命化リフォームがもたらす効用